コラム
業務・組織課題の改善① 業務課題を部下に腹落ちさせるには?
この記事は、足立 晋平が監修しました。
詳しくはこちら1on1ミーティングにおいて、組織課題について話し合うことも多いと思います。
今回は、特に組織課題について部下と話し合われる際のティーチングのヒントを考えていきたいと思います。
ゴールデンサークルという考え方をマーケティングコンサルタントのサイモンシネック氏が提唱しておられます。
組織課題についても同じことが言えるので、今回はこちらのフレームワークを用いて説明を進めていきたいと思います。
部下と組織課題が出た際に何を話されているでしょうか。
例えば、組織課題が出た際に「“どうやって”改善しようか(How)」
あるいは、「“何をやって”改善しようか(What)」
そんなことを話し合われることも多くあろうかと思います。
しかしながら、サイモンシネック氏は、「What、Howで会話をしている限り、本質的な組織課題の改善には繋がらない。」ということを言っておられます。
では、ポイントになるのはどこか?
それは“Why”がキーポイントになると言われています。
「なぜ、そこを課題として捉えるのか(Why)」
「そもそも我々の組織は一体、何のために存在するのか(Why)」
そういった原点のメッセージから始まって、だからこんな形で(How)、このような取り組み(What)を実行していく。
そういった形で部下にメッセージを伝える必要があるのではないでしょうか。
ところで、有史以来、もっとも大きな組織課題の1つであった人種差別に立ち向かった、マーティン・ルーサー・キング牧師の有名なスピーチをご存じでしょうか。
「I have a dream.」から始まる一連のスピーチですが、彼はこのゴールデンサークルにおいては、どの部分のメッセージを話していたのでしょうか?
「I have a dream.」は“Why”です。
「なぜ差別を無くす必要があるのか(Why)。こんな未来を作りたいから。」
すべてはこの“Why”に込められていた話だったのではないでしょうか。
あのスピーチが「何をやって差別を無くす(What)」「どうやって差別を無くす(How)」という話であったならば、ここまで歴史に残るスピーチにはなっていなかったのではないでしょうか。
改めて1on1ミーティングにおいて部下と対話をする際も、このWhat,Howだけではなくて、そもそもの“Why”をティーチングしていく。
そんなことも重要なのではないでしょうか。
この記事の執筆者
WRITER足立 晋平代表取締役社長
大手人材サービス会社にて、新規事業を立ち上げ子会社の執行役員営業部長としてメンバー25 名のマネジメントに携わる。その後、グローバル展開の大手人材開発コンサルティング会社に転職。各種人材開発プロジェクトに携わる。2012年より現職。100社を超える中堅・大手企業の組織活性化や人材育成を支援。