Column

この記事は、足立 晋平が監修しました。

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今回のテーマは、「業務課題の議論が噛み合わないのはなぜ?」です。

 

本題に入る前に、今回はナゾナゾから入っていきたいと思います。

Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの4人が暗闇の中で「ある大きなもの」を見ていました。

その中で4者4様その物体は全く違うものに映っているようです。

Aさんは「これは水道管だよ」と言い、Bさんは「これは扇だよ」と言っています。

Cさんは「いやいや、これは柱だよ」と言っています。

Dさんは「これは黒板ですよ。」と、それぞれ同じものを見ているにも関わらず、まったく別々のものを言っています。

この物体は何でしょうか?

正解は「ゾウ」です。

Aさんの立ち位置でゾウの鼻の部分が視界に入っていた。だから「これは水道管だよ」と言ったようです。

同様にBさんの立ち位置で耳が視界に入っていた。だから「これは扇だよ」と言ったようです。

そしてCさんは太い足を見て「これは柱だよ」

そしてDさんは大きな背中を見て「これは黒板だな」と言ったと。

 

ここから何が言えるのでしょうか?

実は同じものを見ていたとしても見えている「景色」というのはずいぶん異なって映っているということが業務や組織課題については多くあるのではないでしょうか。

例えば、「100万円の予算がある。」に対して、上司は「100万円“しか”予算が無い」と捉えるかもしれませんし、一方で部下は「100万円“も”予算がある」と捉えるかもしれません。

同様に期日は「3ヵ月後」という事実に対して、「3ヵ月後“も”ある」と捉える人もいれば「3ヵ月後“しか”ない」と捉える人もいることでしょう。

部下と話し合うにあたって、それぞれ「見えている景色」はほとんどの場合、異なっているものになっています。

異なったまま議論を始めたとしても、議論がかみ合わないまま進んでいく。そうならないために、まず、お互いの「見えている景色」、つまり、「どのように今の事実が映っているのか」、その前提から話し合う。確認し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者

WRITER

足立 晋平代表取締役社長

大手人材サービス会社にて、新規事業を立ち上げ子会社の執行役員営業部長としてメンバー25 名のマネジメントに携わる。その後、グローバル展開の大手人材開発コンサルティング会社に転職。各種人材開発プロジェクトに携わる。2012年より現職。100社を超える中堅・大手企業の組織活性化や人材育成を支援。