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この記事は、足立 晋平が監修しました。

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今回のテーマは、「部下に対し目標設定や評価をする場面」についてのヒントです。

特にティーチングの中でも部下に対して評価(フィードバック)を行う際のポイントについて考えていきましょう。

皆さんもこれまでフィードバックを受けた経験は多くあると思います。

その中には受け入れやすいフィードバックもあれば、つい反発してしまうようなフィードバックもあったのではないでしょうか。

フィードバックは単に部下について評価を伝えればいいというものではありません。

慎重に行わなければ、せっかくのフィードバックの場が台無しになってしまいます。

クルーガーとデニシという学者が研究した結果、フィードバックを耳にした本人が「自分についての批判」と感じると、フィードバックは成長のための効果をまったく発揮しないということが明らかになっています。

先ほど、皆さんに考えていただいた自分自身がフィードバックを受けた経験の中で「なかなか受け入れられなかったもの」について、思い出してみると「批判されているのではないか?」そんな感情を持ってしまったのではないでしょうか。

1on1ミーティングにおいて、皆さんが部下の方にフィードバックを行う際もくれぐれも部下に「批判だ」と受け取られないように注意をする必要があります。

では、どのように工夫をすれば、部下は皆さんのフィードバックを素直に受け止められるのか。

ここでは3つ、フィードバックの際のヒントをお伝えしたいと思います。

1.許可を得る。

「今から、Aくんの先週の仕事ぶりについてフィードバックをさせてもらうけどいいかな?」

こんな形で少しでもいいので「フィードバックを今からするけどいいかな?」と許可を得るように注意してみましょう。

2.意図を伝える。

何のためにフィードバックを行うのか。」ということをしっかりと伝えた方がいいと言われています。例えば、「今後の君の成長のために今からの時間、先週の仕事ぶりについてフィードバックをさせてもらうけどいいかな?」こんな形の言いまわしで伝えてみてはいかがでしょうか。

3.Iメッセージを使う

Iメッセージとは“私は”こう思うよ。“私には”こう見えたよ。というような言い方です。逆に良くない言い方は“あなたは”というYouメッセージは、フィードバックには不向きだと言われています。

例えば「“あなたは”いつもだらしないね。しっかりしてくれよ。」

こんな言い方をされると少しカチンと来るのではないでしょうか。

そうではなく、「昨日、5分ほどミーティングに遅れていたよね。 “私”から見ると、少しだらしないように見えたよ。」このような形であくまでも「 “私”の見方だけどね。」と伝え方を工夫することで、批難や批判されている捉え方ではなくなってきます。

シンプルな工夫ですけれども是非試してみてください。

この記事の執筆者

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足立 晋平代表取締役社長

大手人材サービス会社にて、新規事業を立ち上げ子会社の執行役員営業部長としてメンバー25 名のマネジメントに携わる。その後、グローバル展開の大手人材開発コンサルティング会社に転職。各種人材開発プロジェクトに携わる。2012年より現職。100社を超える中堅・大手企業の組織活性化や人材育成を支援。