この記事は、足立 晋平が監修しました。

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部下・メンバーと戦略や方針について議論を深めることもあるかと思います。

今回は「戦略や方針においてティーチングを効果的に行うヒント」について考えていきたいと思います。

「今期のウチの方針はどうなっていますか?」

こんな部下からの問いに対して、皆さんはどう答えますか?

よくありがちなのが

「ウチの今期の方針はコストダウン。これにつきるよ。ヨロシク!」

こんな形でシンプルに応えてしまい、

部下からは「まぁ、そうですよね・・・。」

といった形で納得したのか、していないのか、よく分からないような対話になってしまう場面もあろうかと思います。

こういった形で部下の納得が不十分な場合、期中の部下の行動はどうなるのでしょうか?

おそらく方針というものをあまり意識されないまま、自分たちのやりたいように仕事をしてしまう。このような形になってしまうのかもしれません。

自部署の方針や戦略について、では一体何を説明して、部下と確認していけばいいのでしょうか?

よくあるのが、「部門方針はこうだから、お前はこれを頑張れ。」といった形の伝達ですが、これだと部下の納得度は高まりません。

そもそも「部門方針」というのはどこから来ているのかというと、その事業の「事業戦略」から生まれるのが部門方針になります。

部下の納得度を高めるのであれば、「ウチの事業戦略はこうなっているのだ、そこからウチの方針はこうなっていて・・・」というこの“連鎖”について伝える必要があります。

では、「事業戦略」は一体何に基づいて考えられているのでしょうか?

縦の流れ

会社のミッション、あるいは理念、事業目的から派生し、次にビジョンと呼ばれる「ウチの部署はどこを目指すのか?」そんな話も当然戦略には関わってきます。

それだけで戦略が生まれるかというと、横の流れも必要になります。

②横の流れ

横の流れの1つ目は「外部環境」です。自社を取り巻く外部環境、例えば、競合の動き、顧客のニーズ、それらの変化、そういったものを考慮して事業戦略は当然検討されています。そしてそれだけではなく、もう1つの横の流れ、「内部環境」。自社の強み、弱み、リソース、こういったものも鑑みて、事業戦略は考えられている必要があります。

今期の部門方針、個人目標を伝えるにあたって、どこまで皆さんは部下の方に伝えられているでしょうか。

「どうも部下の納得が弱いよな。」「部下が自律的に動いてくれないな。」という方は、ひょっとしたらこの下位のレベルの伝達で終わっているのかもしれません。

改めて1on1ミーティングを活用して、この上位の話、事業戦略、あるいはウチの会社のビジョン、そもそものミッション、このあたりについて確認し合うのも必要ではないでしょうか。

併せて、事業を取り巻く外部環境、内部環境このあたりについても1on1ミーティングの中でティーチングという活動を通じて伝えてみてください。

この記事の執筆者

WRITER

足立 晋平代表取締役社長

大手人材サービス会社にて、新規事業を立ち上げ子会社の執行役員営業部長としてメンバー25 名のマネジメントに携わる。その後、グローバル展開の大手人材開発コンサルティング会社に転職。各種人材開発プロジェクトに携わる。2012年より現職。100社を超える中堅・大手企業の組織活性化や人材育成を支援。